2017神韻京都公演インタビュー、後編


2017/1/23  ”2017神韻京都公演”  
ーQ:2017神韻日本公演の魅所について。  
ーA:(徐さんが解説する)まず踊り、次に音楽があります。これは、中国の古典楽器と西洋の管弦楽器を融合して世界で始めて成功したオーケストラです。舞台上の舞踊と一体化した音楽として高く評価されています。  
ーQ:二胡の音色は、なぜか聴く人の心に響きますね。  
ーA:それと衣裳です。毎年、神韻の衣裳を見るため各国から有名デザイナーの方たちが来られます。色、生地、染めから中国古典の伝統を忠実に再現しています。何年か前、韓国のある有名なデザイナーの方が再現しようとしましたが、結局出来なかったという話を聞きました。  
 最後に舞台のバックスクリーン。世界初の映像演出と言われ、最近特許も取りました。しかも演目毎に変わり、動画にも映画並みの3Dにもなります。  
ーQ:ここで、徐さんに中国五千年の伝統について問い質す。  
ーA:中国の歴史は、5千年と言われています。日本ではよく四千年と言われていますが、これは私が知る限りでは、テレビの何かのコマーシャルで「中国四千年」というフレーズが広まったことに原因があると思います。  
 その千年間というのはまだ文明が出来ていない時期で、その過程が千年間続いたと考えられます。この中国五千年の神伝文化が、現代において文化大革命によって破壊されるに至りましたが、神韻としてはその芸術絵巻を舞踊によって表現することに主眼を置いています。  
ーQ:ここで中国五千年の歴史から、考古学、日本の古代史、文化人類学と最新の発見について話題が及ぶが、長くなるので割愛する。再び話を神韻に戻しますと、その中国五千年の神伝文化を神韻は現代に伝えているということでしょうか。  
ーA:そうです。神から伝わった神伝文化を復興させ、今日に再現することです。また日本は古来、中国の文化を取り入れ、学んできた歴史があります。また同時に日本独自の文化として作り変えて来ました。  
 しかしその原点の文明・文化を中国が自ら破壊してしまったわけです。その文化がまだ韓国と日本には残っていて、それを継承・再現することが大切だと考えます。  
ーQ:今後の神韻の海外公演における抱負について。  
ーA:私たちとしては、最初からずっと変わっていません。古典文化を復興させるという信念に変わりはありません。  
ーQ:2017新春の年明け、京都のファンに向けメッセージがありましたら、一言お願いします。  
ーA:私としては京都は日本文化と古典が眠るかつての古都でもあり、京都公演を開催したいと以前から思っていました。昨年秋、旧京都会館がロームシアター京都として復活、リニューアルした今、東京から京都まで来て交渉を重ねた末、この1月に公演が可能になりました。  
 京都の皆さんにとっても、神韻の古典世界に触れて頂く良い機会かと思います。また主催者として、私共も京都公演が出来て光栄だと思っています。皆さんにまず神韻を知って頂きたいのが第一です。  
ーQ:では最後に、日本のファンに向け何かメッセージを!  
ーA:まず初めに、本物は何かということで始めたのが一つの動機でした。本当のこと、真実とは何か、何が正しいのか、何が正しくないのかということも含めて、すべて神韻の舞台に込められています。それを観客の方々がそれぞれ感じ取って頂き、また一回と言わず何回でも魅て頂く度に新しい発見と感動がまたあるとお勧めします。  
 今後とも私共としては、神韻の公演活動と舞台作りのお手伝いを末長くさせて頂きたいと願っています。  
ーQ:本日はありがとうございました。  

<2017神韻日本公演情報>  
 ☆1/26(木)・1/27(金) 京都公演、ロームシアター京都  
 ☆1/30(月)・1/31(火) 東京公演、文京シビックホール  
 ☆2/1(水)・2/2(木) 名古屋公演、愛知県芸術劇場  
 尚、公演情報とチケット情報は以下のHP:  
  https://ja.shenyun.com  

ー写真カットは、You Tube「神韻2017日本公演」のプロモーション・ビデオからワン・シーン。神韻の古典舞踊には、跳躍、回転、宙返り、空中でのバク転があり、表現力・難易度共に世界で最も高い芸術形式の一つである。ダンサーたちは1日8時間のハード・トレーニングを続ける。  









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2017神韻京都公演インタビュー、前編


2017/1/21  ”2017神韻京都公演”  
ー全国の皆さん、新春のお慶びを申し上げます。本日は、今月1/26・1/27、ロームシアター京都にて開催される2017神韻京都公演のインタビューを以下、レポートします。同公演の主催者である古典芸術振興会の佐藤マチ子さんと徐玉ファン(草冠に分)さんに神韻の歴史と海外公演活動についてお話を伺いました。以下、前編と後編2回に分けて、取材記をアップします。  
 日時は、1月5日午後。場所は、岡崎公園のロームシアター京都2階のロビー。以下、取材インタビューの要約を記す。  
ー二階堂 新:本日はご多忙の中、東京からお越し頂き、ありがとうございます。先日、メールでお知らせしました質問事項に沿って、以下アドリブも交えてお聞きしたいと思います。まず最初に神韻の歴史について。いつどこでどのようにして始まったのか。以下、Qと略す。
ー佐藤さん:神韻の日本公演は、2007年に始まりました。初演は、埼玉県の大宮公演でした。2006年、米国のニューヨークで設立され、以後世界中を巡回公演するようになりました。                                                    設立当初は一つのグループだけでしたが、現在、5つのグループとなり1グループ100名近くの団員で構成されています。10年間、世界中を公演し各国の皆さんに支持され、大きく成長することが出来ました。以下、Aと略す。  
ーQ:世界各国といいますと。  
ーA:神韻の本部はニューヨークにあり、クリスマス前後から世界公演を開始。半年間は世界各地を巡回し、半年間はニューヨーク本部の舞踊学校でレッスンを続けます。  
 各国の主要都市、フランスのパリ、イギリスのロンドン、ドイツのベルリン、オーストラリア、イタリアのミラノ、日本の東京、大阪を巡回公演しています。  
ーQ:なぜ米国のニューヨークに神韻の本部があるのか。  
ーA:神韻は中国古典舞踊を中心とした舞台活動を世界中で行っており、中国本国では1966年に始まる文化大革命で自ら破壊してなくしてしまった。文化も仏像も伝統も壊したため、自由に表現することが中国国内では出来なくなった。  
 中国本土では不可能になったため、自由を求めるアーティストたちが2006年に米国のニューヨークに集まり、ダンサー、作曲家、デザイナーなど100名程で神韻芸術団をスタートしました。  
ーQ:2006年のいつごろですか。  
ーA:(ここで徐さんが登場)毎年、クリスマスの頃から公演を開始し、世界中で巡回公演を行います。  
ーA:(佐藤さんが付け加える)2006年6月だったと思います。今の中国が亡くした文化、伝統、古典舞踊を復興させることが、神韻の願いです。  
ーQ:神韻は現在、中国国内では公演が出来ないとのことですが、私は中国から生まれて、海外へ発展したのかと思っていましたが・・
ーA:元々、中国古典舞踊として中国から発生したのですが、文化大革命で中国が失くしたため、古典舞踊を復興させるべく、海外から復興を目指したわけです。  
ーQ:売れない小説(笑)も書くフリーライターとして私は、作家、開高健を大学時代から敬愛しています。生前、開高健が中国共産党に招待され、「文化大革命」当時の中国を訪問し、後に「文革」の現実と惨状を知るに至った経緯をエッセイでも書いています。以下、私の個人的な米大学留学体験については省略する(笑)  
 話を戻しますと、ニューヨークと言えば芸術の中心地。そこに本部を置く神韻芸術団。You Tubeのプロモーション・ビデオを魅て私は感動したのですが、神韻の舞台は古典で新しい、古典なのに革新的でもあるという印象を受けました。  
ーA:(ここで徐さんが解説する)ダンサーの衣裳にしても、古典的なものを舞台で再現しています。演目がそれぞれ衣裳、民族によって異なり、現代的である一方、伝統文化をそのままにして残し、歴史的人物を舞台で再現する場合もあります。また舞台で演じる演目には、一つ一つメッセージがあります。  
ーQ:中国は他民族、多言語・多文化で、数千年の歴史を持ち、悠久の大陸というイメージと憧れが日本人にはあるのですが、如何ですか。  
ーA:(ここでまた徐さんが解説する)古代中国と京都、奈良、シルクロードと文化交流、京都の祇園祭と話題が弾むが、長くなるので割愛する。  
ー以下、お二人の神韻インタビューの話題は盛り上がり、次回の後編へと続く。  

ー写真カットは、お話を伺った古典芸術振興会の佐藤さん(右側)と徐さんのお二人。ロームシアター京都にて2017年1月5日撮影。

「NOON裁判」弁護団、かく戦えり (3)

2014/12/4  ”「NOON裁判」シリーズ ”   
ー(Q):次に、「NOON裁判」二審公判についてお聞きします。2014年4月25日に一審無罪判決があり、その後5月7日、検察がこれを不服として大阪高裁に控訴しました。なぜ検察は、10月1日の二審第1回控訴審に至るまで半年近くかかったのでしょうか?   
ー(A):検察官が控訴趣意書を出して来たのが7月の半ばで、それに対する答弁書を我々弁護団が提出したのが9月末でした。我々が9月末に答弁書を出したから、スケジュール的に10月15日の二審第1回公判となったわけです。実際、検察が趣意書を提出するのに2ヶ月かかっているので、我々にも2ヶ月の時間を下さいと言い、その結果、裁判所が10月15日の第1回控訴審としたのが実情です。  
ー(Q):私も連休明けの5月以後、一、二度大阪高裁の広報に問い合わせをしましたが、いずれも公判の日程は未定との返事でした。二審控訴審までこんなに時間がかかるものなのでしょうか?   
ー(A):事案によります。今回の場合は、法令適用の誤りということで検察が控訴して来ましたから、我々としても法律の問題でもあり、法律学者の方にも準備をお願いしました。裁判法令を改めて調べ直す必要もあって、それで9月30日までということを裁判所に申し入れて了承を得ました。  
ー(Q):現在のスピード結審の時代、そんなに半年近くも時間がかかるわけですか?  
ー(A):だから検察官が殊更に時間を引き伸ばしたわけではないということです。控訴自体は我々が書面で書いた通り、我々弁護団がきっちりと反論するためにも十分な時間が必要だということで申し入れを行い、9月30日まで答弁書の準備期間がほしいと申し入れをした次第です。   
ー(Q):それでは検察側の二審公判の論点と「NOON裁判」弁護団の戦略についてお聞きします。  
ー(A):検察の論点としては、原判決が「風営法」の「ダンス営業規制」に対する解釈がおかしいと言っており、規制目的である性風俗秩序のコントロールに限定したのが法律上の誤解だと言っています。もう一つは、規制営業対象とは何ぞやということについての原判決の定義は実際の営業実態に即して判断せよと、検察は言ってるわけです。  
 検察官としては、事前に営業してもいいかどうかを判断する許可制について、実際の営業実態を見なければ許可が必要かどうか判断出来ないというのであれば、それは論理矛盾ではないのかというのが検察の主張です。  
ー(Q):専門用語が出て来て、私としては理解しがたいのですが。   
ー(A):要するに検察官は規制目的については、性風俗秩序のコントロールだけではないですよ、薬物、騒音、迷惑行為とかそういうものを広く取り締まるのが「風営法」の「ダンス営業規制」の目的であり、原判決は絞り過ぎですと言ってるわけです。そうやってギュッと絞ると、絞った余りの部分が野放しになってしまうと、彼ら検察は言いたいわけです。これが一つ。 
 二つ目は、目的がどうであれ規制対象営業、つまりその定義付けの問題があります。検察官はそれは法律に書いてある通りですと、「設備を設けて客にダンスをさせ、かつ客に飲食をさせる営業」は全部、都道府県の公安委員会の許可が必要であり、これは形式的に判断しなければならないと、検察官は主張するわけです。  
 原判決がそれに当てはまるのは当然であるけれど、単なる前提であって原判決が言ってるのは実際に都道府県の公安委員会の許可が必要な営業、実際に性風俗秩序を乱す恐れがあるような具体的なリスクのある営業に限定されると、本当に性風俗秩序を乱す営業なのかを見極めるためには、どんな営業をしているか全部見なければならないと、検察側は言ったわけです。   
 つまり検察は、実際に業者が営業を始める前に許可が必要かどうかの判断を100パーセントしておきたいと。原判決がおかしいと言うのは、営業が始まってから許可が必要かどうかを見るということになりはしないかと、こういう風に言ってるわけです。我々が危惧するのは、それはイチャモンだと言ってるわけです。   
ー(Q):10月15日の二審公判の際にも傍聴しましたが、検察側はたった一人の検事と対する弁護側は11名の弁護団と数で圧倒したわけですが(笑)、その時に検察が新証言について言っていましたが。  
ー(A):風俗営業の許可申請とか、検察としては取り締まり実態について証言させたいということです。それに対して裁判所は却下と決めました。  
ー(Q):当日、裁判の際も、確か弁護団の中の一人の弁護人の方が強く抗議されていました。  
ー(A):今日の時点で却下です。   
ー(Q):ということは、次回公判は早く終わるわけですね。ここで時間が残り少なくなりましたので、一部重複しますが、半年近くにわたった「NOON裁判」一審公判について改めてお聞きしたいと思います。今年4月25日の無罪判決を振り返り、弁護団がどのようにして戦ったのか、「風営法」のいかなる問題が裁判で議論されたのか、もう一度一般の読者の方にも分かりやすく日常の言葉で解説して頂きたいと思います。   
ー(A):一つは「風営法」が時代遅れの法律であり、刑事裁判の具体的な目標という点からも、金光氏は性風俗秩序を乱すようなクラブ営業はしていなかったという点が、第一にあります。もう一つは、「風営法」の「ダンス営業規制」の問題・・
ー(Q):いわゆる3号規制ですか。  
ー(A):はい、憲法に照らし合わせてもおかしい。目的と規制手段が嚙み合っていない。それからもう一つ。これは刑事事件であり、刑罰を与える手続きだから、憲法31条の問題もあるわけです。憲法31条とは、「罪形法定主義」(6)という言葉を聞かれたことがあると思いますが、罪に当たる行為というのは、予め明確に誰にでも分かるように定めておかなければならない。そうでないと取り締まる側の解釈であなたの行為は罪に当たると言われても、どんな罪に当たるのか、今自分が罪に当たる行為をしているのかどうか分からないわけです。   
 ダンスをさせる営業についても、あらゆるダンスが規制の対象になるとは考えられない。そうすると、どういうダンスをさせると適法でどういうダンスだったら違法になるのか、誰でもはっきりと法令を読んだら分かるようでないと駄目なわけです。ところが、適法なのか違法なのか判断出来ないような法律の定め方で人を罪に問うのは憲法31条違反であると、我々は言ってるわけです。   
 金光氏は性風俗秩序を乱すようなクラブ営業はしていませんでしたということ、「風営法」の3号規制は憲法に照らしても違憲であるというこの2点を二審での控訴審も含めて、我々弁護団が一貫して訴え続けて来たことです。  
ー(Q):はい、よく分かりました。改めて「風営法」の問題点と合わせて、私にも理解出来ました。ここで丁度時間になりましたので、本日はどうもありがとうございました!

      *       *       *   

 以上、昨年2013年10月1日に開始された「NOON裁判」一審第1回公判を経て、今年4月25日、大阪地裁が下した無罪判決、そして10月15日、大阪高裁で始まった「NOON裁判」二審第1回控訴審、11月21日第2回控訴審に至り、これで「NOON裁判」はすべて終了しました。   
 公判判決は、来年2015年1月21日(水)午後2時の予定。一審無罪判決に続き、再びダンスの女神は微笑むか!?判決のその日、金光正年氏、弁護団の先生方、日本中の支持者の方々と共に私は、歴史的瞬間のその時を見届けたいと願う。   

<脚注>   
ー(6):罪形法定主義:「罪形法定主義」とは、日本国憲法第31条の条文、「何人も、法律の定める手続きによらなければ、
  その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない」による。ある行為を犯罪として処罰するためには、
  立法府が制定する法令において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定してお
  かなければならないとする近代刑法の原則のことをいう。
























































「NOON裁判」二審第2回控訴審


2014/12/2  ”「NOON裁判」シリーズ ”  
-11月中旬以降、体調をくずし当日、裁判の傍聴は出来ませんでしたが、先月11月に行われた「NOON裁判」二審第2回控訴審の結果をお伝えします。   
 日時は11月21日午後1時30分より、場所は大阪高裁201号法廷。弁護側は、改めて「風営法のダンス営業規制は違憲であり、時代遅れの規制に印籠を渡すことが正義に適う」と主張した。  
 また裁判所は、検察による大阪府警捜査官の証人喚問請求を却下。検察側からの追加の意見もなく、前回10月15日第1回控訴審の弁護人側の抗議を考慮したのか、わずか20分程でスピード結審した。   
 尚、判決公判は、来年平成27年1月21日(水)午後2時の予定。歴史的勝利とも言える一審無罪判決に続き、二審でもダンスの女神が微笑むか!?私はその歴史的瞬間を見届ける!  

ー写真カットは、大阪地方・高等裁判所の全景。10月15日撮影。

「NOON裁判」弁護団、かく戦えり (2)

2014/12/2  ”「NOON裁判」シリーズ ”   
ー(A):具体的には憲法21条1項の「表現の自由」(4)にあって、クラブの経営者、プロデユースし、企画・演出する人が行う表現活動があり、これを「風営法」で規制するのは過大な制約である。クラブの情報発信は一方向ではなくて、出演するアーテイスト、クラブ経営者、両者を仲介するオルガナイザー、企画者、プロデユーサーもいる。さらに来店するお客さん、また音楽以外のアート、イベント・スペースとしても活用したり、複合的にアーテイストが作品を展示するイベントも定期的に行っています。 
 我々弁護団が主張したのは、クラブがさまざまな芸術表現を皆でやり取りし、情報交換する拠点であると。言うなれば、クラブは一種のメデイアとも言える存在であり、情報を発信し、同時に情報を知る場所であり、表現の自由の保障が及ぶ場所である。これに一片の配慮もなくクラブに営業規制をかける「風営法」は、表現の自由を保障した憲法21条に反する憲法違反であるというのが一点。   
 もう一つは、憲法22条1項の「営業の自由」(5)があり、他人の迷惑にならない範井内で認められている。ではそれがどんな規制でどんな目的なのか、それは最高裁の判断によってそれぞれ理由がある。ところが「風営法」の「ダンス規制」は、過去の最高裁の判例による限度を越えてしまった。この点でも違憲である。   
ー(Q):つまり「始まりに規制ありき」ということですか?   
ー(A):「営業の自由」についてはその通りですが、合理的な目的があって、その目的を達成するために合理的な手段であれば、規制が許されるという点では間違っていない。ではその目的とは何か?仮にその目的が合理的であるとして、その目的を達成するために意味のある規制手段になっていますかという規制手段の関連性の問題になって来るわけです。そういう検討をしなければならないというのが、最高裁の考え方です。   
 それでは「風営法」の「ダンス規制」の目的は何かと言うと、どういう行為を取り締まる目的で合理性があるのかという問題が一つ。ここで我々が主張したのは、「性風俗秩序でしょ」と。「性風俗秩序が過度に乱れるのを抑止するため、最低限認められる目的ですよね」と。なぜならば、「風営法」が定められた昭和23年当時がそうだったからです。ダンスホールで待機していた女性のダンサーがダンスの合い間に売春の交渉をしているのではないのかと、そういう風な見立てからダンスホールの営業規制はスタートした歴史的経緯があります。つまりこれは性風俗秩序のコントロールです。   
 これに対して捜査機関側は性風俗、売春、女性への性的搾取だけではないですよ、「風営法」はもっと広く風俗全般を取り締まるものだと、夜の町の大衆文化全般を取り締まるものだと、彼らは言ってるわけです。夜中に酒を飲んで開放的になって騒ぐ、男女が密着してダンスを踊ることで性秩序が乱れる、ドラッグの乱用、酔って大声を出したり暴れたり、迷惑行為が多発する。本来眠るべき夜間、町の秩序が乱れる、だから規制するというのが、彼ら捜査機関側の主張です。  
 ここで、「ダンス規制」の目的とは一体何ぞや!?というその理解において対立があるわけです。今回の地裁判決は、性秩序の乱れ、ドラッグの規制、騒音規制とも本件は関係ありませんというものでした。   
ー(Q):質問が前後しますが、この春、4月25日に大阪地裁が下した「NOON裁判」一審無罪判決の歴史的意義についてお聞きします。   
ー(A):我々弁護団が憲法の観点から主張したことに対して、裁判所が正面から受け止めた点にあります。本件において
、「構成要件無罪」という犯罪成立の要件が整っていない、証拠が認められないという趣旨の判決です。つまり「風営法」は合憲であるが、「風営法」が規制する無許可営業罪が成立するかどうかというと、これは認められない。よって無罪である。逆に言えば、憲法判断の必要性は必ずしもないわけです。憲法判断をしなくても出せる判決であるということです。大阪地裁、裁判所としても憲法判断をしなくても出来るんだ、憲法判断はしませんという立場が不文律としてあったと言われています。   
 我々弁護団としては、一審公判で真正面から憲法判断へ踏み込んだ。私はこの点で意義があったと思います。加えて言うならば、裁判所が憲法21条の「表現の自由」にも言及した点でも非常に意義があったと考えます。こういった風俗営業の形式犯、「風営法」の許可を取っているか取っていないかという点では、許可を取っていないのは明らかなわけで・・・ 
ー(Q):私が取材した時も金光さん自身、「NOON」は「風営法」の許可を取っていないと言われていました。いろんな制約があって取れないと直接聞きました。   
ー(A):「NOON」が「風営法」の許可を取っていないのは明らかなわけで、だから法律を形式的、表面的に受け取れば、「NOON」が有罪となってもおかしくない。だけど裁判所は、我々弁護団の問題提起に真正面から真剣に答えて頂いた。そもそも
「風営法」の規制目的とは何か、あるべき規制手段はどういうものであるべきか、真摯に真正面から検討してこられたという点で非常に意義があった。その結果、一審が無罪判決となったわけです。   
 我々が裁判の現場で刑事事件を扱っていると、そもそも憲法論に触れるということ自体、稀有なことです。加えてクラブ営業というのは、営利活動の問題であって、直接表現活動を規制しているわけではないんだ、とも言いうるわけです。だとすると表現の自由という問題は、我々弁護団としても無視しようとすれば出来たわけですが、敢えてこの問題について正面から答えようとした次第です。   
ー(ここで水谷主任弁護人から「NOON裁判」の各資料、報告書、プレス用データを受け取る)   
ー(Q):この後、「表現の自由」とクラブというメデイアの話から私の専門分野である美学とメデイア論、持論の「ダンス論」に話題が及ぶが、長くなるので割愛する。   

ー以下、大弁護団による「NOON裁判」二審公判の戦いは第3弾へ続く。   

<脚注>   
ー(4):表現の自由:「日本国憲法第21条1項:1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障す   る。」国家が個人に保障する基本的人権の一つ。報道・出版などの表現活動は、検問など国家権力による規制から開放
  されるべきとする。   
ー(5):営業の自由:「日本国憲法第22条1項:1.何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を  有する。」









































プロフィール

二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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