少年は原生林の森でサバイバルの夢を見るか
2016/6/5 ”時事評論”
ー6月3日の朝、先月27日以来、行方不明だった田野岡大和君(7)が6日振りに発見され、無事に保護された。発見場所は、陸上自衛隊駒ヶ岳演習場内にある訓練用の宿泊施設。3日朝、演習中に雨が降ったため同施設を訪れた自衛隊員が、施設内にいた大和君を発見した。
隊員が「大和君かい?」と問いかけると、「うん」と答えた。直ちに大和君はドクターヘリで函館市内の病院に運ばれ、点滴を受け、両親と再会した。医師によると、軽い脱水状態と低体温状態になっているが、命に別状はないという。
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私は高校時代、登山部に所属していた。大学時代も冒険と探険の旅に憧れていた。そして1995年の阪神大震災、2011年の東日本大震災、2016年4月14日に発生した熊本地震を経て、特に極限状態における人間のサバイバルに関心がある。
今回、田野岡大和君の生還のニュースは海外メディアでも大々的に報じられたが、決して自然を甘く見てはならない。大自然の中で自然を過小評価すれば、それは即人の生存、命に関わることになる。
親に置き去りにされた7歳の少年は、原生林の森の中でサバイバルの夢を見るか!?少年は一人でヒグマも出没する山道を5キロ歩き、自衛隊の訓練施設に辿り着いた。そこで夜はマットにくるまり暖を取り、6日間、水道の水を飲んで飢えを凌ぎ生き延びた。7日目の朝、演習のため施設を訪れた自衛隊員によって少年は発見された。
幸運と好条件が重なり、施設内に留まった彼自身の判断も功を奏した。そしてそれが天啓のごとく原生林の深い森の中の少年に降り注ぎ、奇跡的にサバイバルの鉄則に見事に合致したのであった。
ー写真カットは、大和君が発見された北海道鹿部町の陸上自衛隊駒ヶ岳演習場内の訓練用宿泊施設。6/3付、朝日デジタルのニュース動画から転載。
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