太陽を盗んだ男 (5)

 かくして、国家権力を敵に回した城戸誠と山下警部との息もつかせぬ攻防戦が始まった。  
 現金5億円の授受は、5月1日メーデーの日。青のキャップ、サングラス、口ヒゲで変装し、手製原爆の入った
バッグを下げ、受け渡し場所へ向かう誠。その日の正午、誠からの電話が鳴る。受話器を取る山下警部。しかし今回警察は、逆探知機に奥の手を使った。電電公社に圧力をかけ、逆探知の速度を増し、誠の居場所を突き止めるため、東京中の電話回線を一時中断したのだ。   
 それを知らない誠は、いつも通りに通話を続ける。近くで電話する女性の通話が、突然途切れる。渋谷管区からの電話だと特定され、現場へ急行するパトカーと山下刑事ら。再び誠は電話をかけ、山下刑事らを指定した喫茶店に待機させ、5億円の入ったケース2個を下げた刑事をデモ隊と合流するよう指示する。   
 走る刑事と捜査員ら。逆探知網が作動し、誠の居所を探る。上空にヘリが舞う。  
 「逆探、完了!」「東急デパートの屋上です」と部下の技術者が伝える。デパートの屋上の赤電話、誠以外はすべて不通。やっと気付いた誠は、その場から駆け出す。刑事と捜査員らが現場へ駆け付け、全員を取り押さえる。
機動隊、機動隊車両が出動し、デパートの出口を封鎖する。  
 「封鎖を解け!でないと、原爆を爆破させる」と警告する誠。ビルの屋上から5億円の札をばらまかせ、そのドサクサに紛れ、デパートから脱出する。しかしその取り引きで、原爆は山下らによって回収される。ところがDJの
ゼロ、零子の応援と協力もあり、誠は、原爆の入ったバッグの奪還に成功する。   
 零子と取り返した原爆を乗せ、スポーツカーで走り去る誠。そこへ通りかかった覆面パトカーの山下警部が発見、二人を追跡する。パトカーが、続々とその後を追う。誠と零子が乗るマツダのサバンナRX-7を追う山下の車とパトカー十数台と白バイ。邦画史上初の本格派カーアクションの魅せ場あり!宙を飛ぶスポーツカー、衝突、横転、スピンし、大破する白パトカーの車体。   
 そのカーチェイスの最中、山下刑事が撃った銃弾で誠の車は横転、崖から転落する。  
 「生き続けてね」と言い残し、誠の腕の中で息絶える零子。執拗な山下の追跡を振り切り、原爆のバッグを抱え
逃げ切る誠。   
 取りもどした原爆の起爆装置をもう一度修復する。ローリング・ストーンズ公演の日、会場で警備する山下警部に近付き、誠は隠し持った拳銃で、山下をビルの屋上へ連行する。ストーンズは、やはり来日しなかった。それは、誠を誘き出す山下ら警察の罠だった。拳銃と素手で直接対決する二人。格闘の末、山下は誠を抱え込むと、屋上から決死のダイビングを試みる。   
 「さあ、行くぞ、9番ー」   
 「ギャアアアーーーッ!」   
 ビルから落下する二人。ところが誠の体は電線に引っかかり、立ち木の枝にからまり、地上へ軟着陸。命拾いする。山下警部は殉死。木にからまった原爆のバッグを誠は、再び回収する。   
 ラストの名シーン、原爆の入ったバッグを手に下げ、夕暮れの大東京の雑踏の中、抜け落ちる髪の毛を手でかき
上げ、生き残った誠が、一人歩き続ける。   
 パチパチパチ~。   
 最後に、言う。長谷川和彦よ、もう映画は撮らないのか。まだこれからも、「33年間」以上眠り続けるのか。私は、亡き中上健次の遺志を受け継ぎ、書き続け、発信し続け、戦い続けるぜ!

























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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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