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「黒い雨」未公開ラストシーン


 全国100万の邦画ファンの皆さん、今晩は、二階堂 新です。多忙のためすっかり遅くなりましたが、本日、
「黒い雨」未公開ラストシーン編をお届けします。  
 井伏鱒二の原作では、病いに倒れた矢須子が病院に運ばれるシーンで終わります。しかし巨匠、今村昌平監督は、敢えて原作にはない「矢須子の四国巡り」カラー19分を残しています。ここで、「矢須子に救いはあったか」と今村監督は問いかけます。   
 ファースト・シーンは、それから15年後。岡崎屋の庭先には五百羅漢の石仏が立ち並ぶ。石工の悠一(石田圭祐)の妻となった矢須子(田中好子)は、一人で四国八十八ヶ所巡礼の旅に出ることを姑のタツ(山田昌)に告げる。その夜、仕事部屋で夫の悠一と話し合う矢須子。かたくなに単身で出発すると言い張る。  
 「あなたと一緒にいたいんです」と悠一。  
 「それでは、恵まれ過ぎて、私一人が幸せになることはできんのです」   
 「あなたは十分過ぎる程、今まで辛い目に遇って来たでしょう」  
 尚も原爆の後遺症に悩み続ける矢須子は、一瞬その心情を打ち明ける。   
 「アタシ、死ぬのがこわいー」と言うと、矢須子は悠一の膝にしがみつく。妻の矢須子のその肩を抱き、悠一は
優しく口付けをする。   
 40歳の誕生日を迎えた9月、矢須子は白装束に身を包み、叔父重松の遺産も原爆病院に寄付し、夫の悠一を残し、一人で四国遍路の旅に出る。四国に着くと矢須子は、般若心経を唱えながら、町の家々を老遍路と二人で托鉢して回る。その老遍路こそは、20年前原爆投下直後の広島で出会ったあの火傷の中年男(常田富士男)だった。井戸水を飲むその姿にかつての記憶を辿るが、矢須子は口には出さず、二人で遍路旅を続けた。  
 ある寺の境内で、足を止める矢須子。聞き慣れたノミの音が聞こえる。老遍路を先に行かせ、その方角へ行って
みるとー。小屋の奥で、石仏にノミを打つ男の姿がある。窓越しによく見ると、夫の悠一だった。矢須子は思わず
涙を溜めるが、それを振り払うように両手を合わせ走り去る。  
 泣きながら寺の境内を駆け抜け、お堂の老遍路の元へ。  
 「わしは、女房、子供を見殺しにした・・・」と最後の言葉を言い残すと、老人は事切れた。  
 同行の老遍路を亡くし、白装束はボロボロになり、草鞋は擦り切れ、足の指は血塗れになりながらも、矢須子は
たった一人遍路の旅を続ける。山中の遍路道を杖をつき般若心経を一心に唱えながら歩く矢須子。ふと脇道を見る
と、竹藪の中にあの石仏群が。そこには叔父の重松とシゲ子、村の男たち、そして老遍路の姿が見える。 
 ラスト・シーン:遍路姿の矢須子は、導かれるようにその石仏の中に歩み寄り、静かに微笑みを浮かべるのであった。合掌   

<蛇足>   
 ー尚、某「ツタヤ」で確認したところ、本作「黒い雨」はレンタル作品でないのこと。また本編収録の「黒い  雨」(デジタルリマスター版 未公開ラストシーン&メイキングドキュメンタリー付、東北新社、2625円)
 も「ツタヤ」で購入しました。えっ、何?別に、「ツタヤ」の宣伝してないヨ(笑)

   
 









  
 









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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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