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クンドウン (5)


「時事テーマ」:2013/5/9 ”名作映画シリーズ ”  
ー避難先の僧院の一室で、ラジオの臨時ニュースを聞き、思わず椅子から立ち上がる若きダライ・ラマ14
世(テンジン・トウタブ・ツアロン、ダライ・ラマ14世の甥の息子)。ダライ・ラマの使者を名乗る者が中国側と調印し、チベットは中国の領土の一部となった。  
 やがてその僧院にも中国人民解放軍の一行がやって来る。将軍が改めて協定書の署名を求めるが、少年法王は玉座で無言のまま。軍服の一行が去ったその夜、僧院の部屋のベッドで法王は、不吉な夢を見る。翌日、長老の一人がインド亡命を提言する。他の長老、パラ師も交え、チベットに留まるべきか、亡命するかについて討議する。  
 「今の中国は違います。共産主義国家です」とパラ師。「チベットの民を守ることが私の使命だ。ラサに戻る」と法王自らが静かに答える。ラサのポタラ宮へ戻ったクンドウンは、僧の兄から中国軍の実態を聞く。入城した当初は友好的であったが、その後人民解放軍はチベット弾圧を始める。実の兄さえも利用し、中国の言うことを聞かなければ、ダライ・ラマ法王の殺害も試みる。  
 再びポタラ宮に人民解放軍の将軍がやって来ると、チベット側の首相と言い争う。無言で二人の間に割って入り仲裁する法王。やがてラサ市街には次々と人民解放軍のトラックが入城し、兵士らで溢れ、解放軍の
歌が終日スピーカーから流れる。   
 1950年、中華人民共和国がチベットを制圧、併合する。チベットは西側諸国と赤い中国の間で揺れ動く。かくして、若きダライ・ラマ14世自らが北京へ向かう。  
 「私の母は仏教徒だった」と直接会談で年少の若き法王を懐柔し、チベット政策の融和を匂わせる毛沢東
主席。中国政府主催による少数民族向けの会議にも出席する法王。北京滞在の最後の夜、再びダライ・ラマ
14世を部屋に呼び入れ、毛主席が差しで語りかける。  
 「宗教は毒です。人間を腐らせる阿片です」   
 その後、部屋の外の黒塗りの高級車まで見送られ、車に乗り込む法王。しばらく手を振るが、やがて背を向け歩き去る毛沢東の後ろ姿をカメラは描く。   
 ラサに戻ると、チベット農民の家には、共産主義国家中国の漢字の貼り紙が家中に貼ってあり、中国軍に抵抗するチベット農民は人民解放軍の爆撃機によって攻撃される。パラ師から、人民解放軍によるチベット
人迫害とラマ僧・尼僧に対する生々しい弾圧を聞く。眼鏡を外し、顔を伏せ、嗚咽する青年法王、ダライ・ラマ14世。  
 「今こそ、チベットを出て中国に抵抗を示すべき時です」とパラ師が諫言する。  
 その夜、再び夢のシーンが描かれる。ポタラ宮の鯉の池の中に赤い毒薬が流し込まれ、法王の足下には血
だらけになって地に倒れる夥しい数のラマ僧が。立ち尽くすダライ・ラマ14世。はっとして、夢から覚める法王。  
 その後、チベット暴動の報を伝えにやって来た人民解放軍の将軍に、今度は法王自身が毅然と反論する。
 「我々は非暴力主義です。我々を癒すのはみ仏です。知恵と慈悲が人を解放するのです」  
 そしてある日、終に人民解放軍はポタラ宮殿へ砲撃を開始した。宮殿内の不動明王像に祈りを捧げ、決断
するダライ・ラマ14世。  
 「私は長い旅に出る」   
 1959年3月10日、僧衣から軍服に着換え、夜陰に紛れ、ノルブリンカ宮から脱出する青年法王と側近ら一行。ラスト15分間、感動の名シーンと祈りと珠玉の言葉が続く。   
 「両手を合わせ、私はみ仏に祈る」「光を掲げ、闇に迷いし者たちを導きたまえ」「私は自由なき者に自由を与え、縛められし者を解き放ち、救いなき者に救いを与える」「私は衆生を涅槃へと導く」  
 「徳ある者は勝利し、徳なき者は敗れ去る」「私が今まで積み重ねた徳の力で、生きとし生ける者すべて
の苦しみが消えんことを」   
 旅の途中、国境付近の山中でチベット臨時政府を樹立し、発足させる。雪のヒマラヤ山脈を越え、中国軍の追っ手から逃れ、馬と徒歩で歩き続ける一行。チベット農民兵と側近らに守られ、疲労困憊しながらも、終に馬を降りるダライ・ラマ14世。   
 インド国境検問所で、インド人警備兵が尋ねる。   
 「お名前は」   
 「私はただの男。み仏に仕える一人の僧」   
 ラスト・シーンは、再び望遠鏡の三脚を組み立てる場面で終わる。亡命先の建物の窓から、青年ダライ・ラマ14世は、遙かヒマラヤ山脈の彼方を望むのであった。    

            (了)   






































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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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