映画『軽蔑』と中上健次論


2013/7/3   ”名作映画特別編”   

 <評論シリーズ 第2弾>   
   映画『軽蔑』と中上健次論  
    ~純愛と悲恋の「女優論」について   

         二階堂 新(フリーライター)   

 話題を少し変える。本作のプロデユーサーでもある大森氏勝氏プロデユース作品に、映画『軽蔑』(2011年)がある。その公開当時、劇場で観ることができなかった私は、半年後、『軽蔑、145分、デイレクターカット版DVD)を購入し、何度も繰り返して魅た。   
 本作映画の冒頭、裸足のダンサーの真知子(鈴木 杏)の手を取り、遊び人のカズ(高良健吾)が、夜の
新宿の街を駆け抜けて走る名シーンがある。  
 新宮出身の作家、中上健次の遺作、『軽蔑』(1992年)を廣木隆一監督が映画化した衝撃の話題作である。本作品も公開前、ヒロインの真知子役を演じた鈴木 杏の体当たりのベッド・シーンがマスコミで強調されたが、本作映画は紛れもなく男女の純愛と悲恋を描いた、中上健次原作のラヴ・ストーリーである。 東京の新宿歌舞伎町を逃げ出したカズは、故郷の地で真知子と共に新しい生活を始める。旧友と再会し、
資産家の両親と「アルマン」のママとそして高利貸しの山畑に借金をしながら、カズは懸命に生きようと試みる。しかしカズが真知子を愛すれば愛する程、運命はかくも残酷に二人の仲を引き裂くのであった。 
 ラスト・シーン、山畑に腹部を刺されたカズは、タクシーの後部座席で真知子の膝に抱かれながら、静かに息を引き取る。その時、真知子の瞳に大粒の涙が溢れ、嗚咽し、頬を伝い、涙が流れ落ちる・・  
 『フィギュアなあなた』では、石井ワールド独自の幻想的ともいえるエロスのラヴ・ロマンスがテーマでもあり、主人公の健太郎もヒロイン役の美少女フィギュアのココネも最後には、悲劇的に命を絶つ。しかし、同じ大森氏勝プロデユース作品である『軽蔑』では、純愛の女優、真知子(鈴木 杏)は新宿に再び舞い戻り、一生涯カズとの思い出を胸に秘め、ダンサーとして生き続けるのであったー   
 2013年夏、私はわが青春の日の、今は亡き作家、中上健次の遺志を受け継ぎ、尚も書き続ける。私は
書き続けなければならない。   

ー写真カットは、タクシーの中、真知子の膝に抱かれながら、カズが息絶えるシーン。映画『軽蔑』のラスト・シーンより。  

ー以下、第3弾では、引き続き『フィギュアなあなた』石井ワールドについて述べてみたい。

 
 












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Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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