東九条在日コリアン・タウンを歩く


2014/9/8  ”京都シーン行”   
ー暑い夏が終わり、気候も涼しくなり、行楽には最適なシーズンとなりました。さて本日の京都散策行は、先週の土曜日に参加した「まいまい京都ツアー」のレポートをお届け致します。題して、「映画『パッチギ!』の舞台、東九条在日コリアン・タウンを歩く」です。因みに元タレントの島田紳助(本名、長谷川公彦)は、京都の東九条出身です。あれ~、長谷川はん、頼むから訴えんといてや~(笑)  
 9月6日曇天の土曜日の午後、地下鉄に乗り「十条」駅へ。午後2時前、改札出口には旗を手にした主催者と数人の参加者がすでに待機中。その場で参加費を払い、スタッフの方と本日のガイド役の村木さんにそれぞれ挨拶する。午後2時、参加者16名とガイド1名、スタッフ2名、総勢19名でいよいよツアー開始!   
 本日のガイドは、NPO法人東九条まちづくりサポートセンター事務局長の村木美都子さん。東九条の町づくりと在日コリアンの支援に携わっている。若い学生、カップル、中年の男女、観光客も交えたツアー参加者は地上へ出ると、河原町十条の交差点を歩き、鴨川へ。早速、鴨川沿いの木陰でガイドの村木さんが資料と写真を示しながら、在日コリアンの生活と差別の歴史について説明する。  
 かつて在日コリアンたちは日本の終戦後以降、京都駅の南側、東九条の鴨川河川敷に身を寄せ合って住んでいた。日本にやって来た彼らの多くは日本語ができないハンデイと差別もあって、男たちは建築現場の人夫、肉体労働、廃品回収業に従事し、女たちは染め物工場で働いたという。   
 現在、在日コリアンたちが住んでいた40番地と呼ばれた河川敷の家並みはすべて撤去され、モダンなマンション風の東松ノ木団地とコンクリート製の松ノ木団地が建っている。19人のツアー一行は鴨川の土手沿いを北上し、その東松ノ木団地の集会場に入る。   
 3階建ての開放的な東松ノ木市営団地は、1992年着工を開始、2004年に完成した。鴨川は一級河川のため、その堤防に人が住居することはできない。在日コリアンは行政によって立ち退きを迫られた。しかし水道、下水、ガス、電気といったライフラインもなく、彼ら在日コリアンにとって、他に住む場所はない。そこで彼らに代わり、行政、京都市に掛け合って、NPO法人、各団体、キリスト教会、ボランテイアの大学生らが現在、在日コリアンの住宅・生活支援事業に尽力している。  
 しばらくすると、一人のおばあちゃんが集会場にやって来た。当団地に入居するオモニだった。在日コリアン2世の彼女は、韓国名の本名と日本名の通名を持つ。日本の大阪で生まれた87歳になるオモニは、彼女の人生と仕事、1世の親が受けて来た民族差別、自身の娘時代に経験した根強い差別と偏見、二つの朝鮮に引き裂かれた在日コリアン同胞の哀しみについて一時間、日本人参加者の我々に語り続けた。今では4人の子供と大勢の孫に囲まれ、その孫たちは日本に帰化し、日本人のお嫁さんをもらったという。   
 「皆さん、隣りの人とは仲良くして下さい」と最後に言うと、87歳のオモニは拍手に送られ、静かに部屋から立ち去った。
 午後4時半、土砂降りだった雨もやっと上がり、一行は集会場を出る。再び鴨川沿いを北上し、東山橋へ向かう。この橋は、映画「パッチギ!」で在日コリアンの少女、キョンジャ(沢尻エリカ)に民族差別の故に失恋した松山康介(塩谷瞬)が、哀しみと怒りのあまり泣きながら、愛用のギターを投げ捨てた場所。現在、河の水位は低いが、2004年の撮影当時、鴨川は増水していた。川面に投げ捨て壊れたギターが濁流に吞まれ、流されてゆくあのシーンが今も目に浮かぶ。   
 午後5時過ぎ、ツアーは終了。その後、東九条の韓国料理店へ十数人の男女のツアー参加者が入店する。マッコリ、ビール、コーラを飲み、キムチと焼肉を食べながら語り笑い、最後に一行はしばし至福の時を楽しむのだった。

     *     *     *   

 私自身、今まで在日コリアンの歴史についてよく知らなかった。1970年代後半の大学生時代以来、断片的な知識しかなかった。50万から60万人とも言われる在日コリアンが日本にいて、いつ、どこから、どのようにして日本にやって来たのか。そして彼らがいかなる差別と迫害を受けて来たのか、些か無関心であった。京都に35年住みながら、東九条在日コリアン地区は私にとって、近くで遠い場所であった。   
 今回のツアーに参加して、その断片的な知識が線でつながり、在日コリアン2世3世と我々日本人の歴史が点と線でさらにつながり、かつての差別と迫害の歴史から新しい希望の始まりが今、生まれつつある実感を私はi持つことができた。  

<参加ツアー>   
 ☆「まいまい京都ツアー」[東九条]在日コリアン・オモニの暮らしを東九条に訪ねて~映画「パッチギ!」の舞台を歩く
 ☆コース:地下鉄「十条」駅~鴨川堤防~東松ノ木団地~在日コリアン・オモニの話を聞く~九条大橋~朝鮮食材の店~  韓国料理店「ハルバン」   
 ☆参加費:2千円   
 ☆ツアー申し込みと詳細は以下;    
   京都のまち歩きミニツアー「まいまい京都」 http://www.maimai-kyoto.jp    

ー写真カットは、河原町十条の交差点を歩くツアー参加者の一行。9月6日午後撮影。 
  
































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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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