映画発祥の地、太秦を歩く (1)


2014/9/23  ”京都シーン行”   
ー好評の京都散策行シリーズ、「まいまい京都ツアー」第3弾、本日は、題して「日本映画発祥の地、太秦を歩く!」です。 
 マッチ箱のような一両編成の京福電鉄嵐電北野線に乗り、「帷子ノ辻」駅で降りる。少し早目に午前9時30分に到着、同駅改札出口に一番乗り(笑)。その後、続々とツアー参加者が集まり、14名に。いつものようにその場で参加費を払い、「まいまい京都」のスタッフ、ガイド役の出嶋さんに挨拶する。   
 本日のガイドは、株式会社高津商会(1)の出嶋英和さん。午前10時、14名の参加者を前に出嶋さんによる挨拶と太秦、嵯峨の歴史について説明がある。太秦は中国大陸から渡来した秦一族の開拓と治水事業によって開かれた。また「嵯峨」の語源は「坂」にあり、太秦も含めたこの地域一帯は、坂が多い土地であったといわれる。午前10時過ぎ、ツアー参加者14名、ガイド1名、スタッフ2名、総勢17名でいよいよツアー、スタート!  
 まず一行は、松竹京都撮影所前へ。現存する撮影所の一つ。かつて太秦には5つの撮影所、松竹、東映、大映、日活、東宝のそれぞれの京都撮影所があった。そしてかつて京都には、24ヶ所の撮影所があったといわれる。所内には、4年前に立命館大学映像学科が新設された。   
 現在も撮影所内では、時代劇、現代劇、刑事ドラマなどの番組が撮影されている。折りしも時代劇の扮装をした役者がロケ用のバンに乗り込み、撮影所を出発するところだった。   
 続いて一行は、大映通り商店街へとやって来る。かつて昭和30年代、日本映画全盛の頃の映画の町、太秦を記念して、商店街の道路を撮影フィルムのコマに模したデザインが面白い。しばらく歩くと、大映通りのスーパー前に高さ数メートルの
「大魔神像」が立つ。一行を前に出嶋さんの解説が始まる。   
 平成25年3月14日、地元商店街の熱い思いが京都府、京都市、角川映画を突き動かし、この地に大魔神像が出現、常設されることになった。「大魔神」シリーズは、かつて大映京都撮影所で1966年から特撮時代劇の3部作として製作された名作。小学生の頃、私はワクワク、ドキドキしながらスクリーン上の大魔神が戦う勇姿に魅入ったものだ。   
 その大映通りをトコトコ歩いて、一行はやがて住宅地の一角へ。あるマンションの入口前に、小さな石碑がポツンと立っている。よく見ると、大映京都撮影所(2)跡地の文字が刻まれている。昭和初期に撮影所として開所。その後、戦前・戦中・戦後と紆余曲折を経て、昭和61年(1986年)に閉鎖。現在、跡地には瀟洒なマンションが建っている。   
 黒澤明(3)監督の映画「羅生門」(4)(1950年)は、かつてこの地にあった大映京都撮影所内で巨大な羅生門のセットを製作し撮影が行われた。また往年のスター、市川雷蔵、山本富士子、京マチ子、勝新太郎が銀幕デビューした撮影所としても知られる。   
 このマンションの南側に太秦中学校があり、昭和50年頃まではその敷地も撮影所だった。その太秦中学の正門横に、グランプリ広場がある。そこには黒澤明監督が映画「羅生門」で受賞した、アカデミー賞のオスカー像(左側)とヴェネチア国際映画祭金獅子賞の黄金の獅子像(右側)が、ケースに入れられ飾られている。ただしどちらもレプリカ。   
 「東洋のハリウッド」太秦を歩き発見するツアーは、まだまだ続く!以下、後編へと続く。  

<脚注>   
 (1)高津商会:現在、日本で2社しかない、時代劇も含めた総合的な小道具を映画の撮影所、テレビ局に提供・賃貸でき
  る会社。道具屋「高津道具店」が前身。大正7年(1918年)、映画用小道具の貸し出しを専門とするようになり、今年で
  創業97年目を迎える。   
 (2)大映京都撮影所:かつて存在した日本の映画スタジオ。昭和2年(1927年)、日本活動写真が「日活太秦撮影所」と   して開所。昭和17年(1942年)の戦時統合で設立された大日本映画製作株式会社(後の大映、現在の角川映画)の   下、同名称となった。昭和46年(1971年)の同社の倒産後、昭和49年(1974年)に同社が徳間書店傘下になること
  で再建、撮影所は分社化され、株式会社大映映画京都撮影所となるが、昭和61年(1986年)4月、完全に閉鎖され、
  跡地は住宅地となった。   
 (3)黒澤明(1910~1998年):日本の映画監督、日本映画界の巨匠。その作品はアカデミー賞と世界三大映画祭(ヴェ
  ネチア、カンヌ、ベルリン)を受賞し、海外でも多大な評価を得る。また世界中の映画監督にも影響を与え、「世界のクロ
  サワ」と呼ばれる。主な作品に監督デビュー作の「姿三四郎」(1943年)「生きる」「七人の侍」「用心棒」「天国と地獄」
  「デルス・ウザーラ」「影武者」「乱」がある。
 (4)映画「羅生門」:黒澤明監督の代表作。1950年8月26日公開、モノクロ作品。1951年、日本映画初となるヴェネチ  ア国際映画祭金獅子賞とアカデミー賞を受賞する。   

ー写真カットは、おお~っ、太秦大映通りに立つ大魔神像の勇姿!9月20日午前撮影。



























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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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