網走番外地 (2)


2015/1/23  ”名作映画シリーズ ”   
ー高倉健(1931年2月16日~2014年11月10日)、本名・小田剛一、1931年、福岡県中間市に生まれる。明治大学商学部卒業後、就職先がなく一時帰郷。10ヵ月後上京し、東映の映画プロデユーサー、マキノ光雄に見い出され、東映ニューフェイスとして東映に入社する。   
 1956年、映画「電光空手打ち」で主役デビュー。その後、アクション、喜劇、刑事もの、文芸作品など幅広く現代劇映画に出演し、主演スターとして頭角をあらわす。やがて1963年以後、任侠映画に活躍の場を移し、耐え抜いた末に最後には死地へ赴くストイックなやくざ役を好演するようになる。   
 本作は当初、低予算で添え物とも言える白黒映画であったが、予想外に大ヒット。以後、「網走番外地」シリーズが2年半の間、10本製作された。その後も、高倉健と俊藤浩滋プロデユーサーのコンビによる「新網走番外地」シリーズが、8本作られた。   
 本作ストーリーに戻る。ある日、スコップで雪掻きをしながら、権田が橘に耳打ちする。  
 「抜けようと思えば、方法はいくらでもあるってことよ」  
 半年後に出所を控えた橘は、脱獄に参加すれば折角の仮保釈が取り消しとなる。家を飛び出し、やくざ稼業で苦労をかけた病床の母親に一目会いたい、橘の心は揺れ動く。その間も、リーダー格の依田と権田らによる集団脱獄計画は、着々と進められる。  
 そして脱獄当日のその夜、手配した通り仮病を装い、雑居房内から囚人が宿直の看守を呼ぶ。夜勤の看守がやって来る。しかしここで、依田らの計画を静かに見守っていた阿久田の機転により、脱獄計画は頓挫する。初老の阿久田受刑囚に詰め寄る依田と権田ら。ところが阿久田の正体こそ、伝説の8人殺しの「鬼寅」であった。その気迫を前にして平伏する依田と囚人ら一同。   
 それから数日後の朝、橘、依田、権田ら30人の囚人はトラックの荷台に乗り込み、雪深い山間部の森林伐採の作業へと向かう。雪の山道を走る囚人たちを乗せたトラック。突然、権田がトラックの荷台から飛び降りる。手錠で繋がれた橘もそのまま飛び降りる羽目に。   
 「脱走だー!車を止めろー!」それを見て叫ぶ荷台の看守ら。「バーーン!バーーン!」トラックを停め、浮き足立つ囚人たちに向け、威嚇射撃をする看守。  
 「止まれー!止まらんと撃つぞー!」   
 手錠で繋がれたまま膝まで雪に埋もれながら、雪の山腹の斜面を逃げる権田と橘。拳銃を手に二人を追う制服の看守。その追っ手の看守を振り切り、山中深く逃亡する二人。一息つきながら、二人が言い争う。  
 「どうしてこんなことに俺を巻き込んだ」と橘。「仕方ねえだろ。腐れ縁だ」と言い返す権田。不本意にも脱走に巻き込まれることになった橘は権田を問い詰め喧嘩となり、何度もその顔を殴り付ける。   
 「俺は食いついたら、決して放さないぜ」と雪の上に倒れ血を流しながら、不敵に笑う権田。   
 ここから、手錠に繋がれた二人の脱獄囚、権田と橘による自由を求める逃亡劇が始まる。森林を抜け、雪の岩場の沢を歩き、山を超えると、権田と橘の前には、遙か地平線まで続く北海道の大雪原が広がっていた。  
 歩き疲れ空腹になった二人はある民家に忍び込むが、家人に見つかる。食料を求め襲いかかる権田を懸命に引き止める橘。そこへ馬橇の鈴を鳴らしながら、家の主が帰って来る。逃げ出す二人。その家の女は、妻木の妻だった。
 その頃、刑務所内では、権田と橘の二人の脱獄囚を追跡する作戦会議が開かれていた。橘の脱走を知らされた保護司の妻木は、保釈通知書を自らの手で握り潰す。  
 「あいつは馬鹿だ。大馬鹿もんだ!」  
 雪深い山中を手錠で繋がれたまま逃亡を続ける権田と橘。夜は猟師小屋で寒さを凌ぎ、一夜を明かす。その二人を追う猟銃を手に持ち警察犬を連れた追跡班と妻木。運良くトロッコを見つけた二人は、急いでトロッコに飛び乗る。追い付いた妻木も猟銃を肩にトロッコに乗り、その後を追う。雪原を走るトロッコによるアクション・シーンが見せ場。 
 「お~い、止まらんと撃つぞ!」「バキューン!」  
 トロッコで逃げる二人に向け、後方から威嚇射撃をする妻木。そこでブレーキの壊れたトロッコから飛び降りる橘と権田。やっと機関車が走る線路近くまで辿り着いた二人。権田は線路を走る汽車の車輪を利用して、手錠を切断する方法を思い付く。首尾良く手錠は切断されたが、汽車の風圧で権田は線路から雪の崖の斜面を転げ落ちる。  
 手錠を切り離し、自由の身となった橘も崖の急斜面を転がる。岩場の崖の下には、血だらけになり傷ついた権田が横たわる。雪の上に倒れた強盗犯で強姦罪の凶悪犯、権田を置き去りにして歩き去ろうとするが、橘はやはり引き返し権田の元へ駆け寄る。  
 「おい、しっかりしろ!」と倒れた権田を背中に背負う。  
 「橘、動くな!」とそこに、猟銃を構えた妻木が現れて言う。脱走した橘を責める保護司の妻木に橘が訴える。 
 「あっしは、どうなっても構いません。この権田をどうか病院へ連れて行ってやって下さい!」   
 ラスト・シーンは、和解した妻木と怪我をした権田を乗せ、雪の中、橘が駆る馬橇が病院へと直走る場面で終わる。


                (了) 

ー写真カットは、本作の名シーン、脱走した権田と橘の前には、地平線まで続く北海道の大雪原が広がっていた。
 

 

              










































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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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