満開の桜の木の下で


2015/4/5  ”桜だより” 
ー本日、京都市内は生憎の雨天となりましたが、京都散策行「桜だより」を全国の皆さんにお届けします。 
 京都市内中心部の御池通りでは、先月3月25日頃から、早くもヨウコウ(陽光)ザクラが咲き始めました。数キロにわたってえんえんと続く鴨川、賀茂川両岸の桜並木も3月末頃から開花を始め、丁度今週末が開花のピークとなりました。賀茂川左岸の半木(なからぎ)の道沿いの桜並木、シダレザクラも濃いピンク色の花を咲かせ、観光客や道行く人々に目を楽しませる。また今週の土曜日、京都御所、春の一般公開で拝観した御所内の桜も今がまさに満開でした。  
 やはり花と言えば、桜。桜を扱った和歌、文学と言えば、西行(1)の和歌「願わくは花のもとにて春死なむ その如月の望月の頃」が有名。この「花」が桜なのか梅なのか、また「如月の望月」がいつの頃なのか、諸説あると言われる。そもそも和歌は、学術論文に非ず。放浪の歌人、西行法師の覚悟と生き様ともののあわれを知れば、それでよし。  
 次に、坂口安吾(2)の短編小説「桜の森の満開の下」がある。安吾の代表作でもあり、山賊と都の女と桜をテーマにした、かくも残酷で美しい幻想的な怪奇物語である。私は大学時代、文庫版でこの作品を読み感動した。後に昭和50年(1975年)、篠田正浩監督によって映画化された。  
 因みに、桜花咲くこの4月、私は60歳になります。わが春爛漫の満開の桜の木の下で、我、悠々として生き急がんとする。  
 ソメイヨシノは、これで開花のピークを過ぎましたが、京都にはまだ御室桜、サトザクラ、ヤマザクラがあります。4月中旬以後も「桜だより」を当ブログにてアップしますので、皆さん、乞うご期待!

<脚注>  
ー(1)西行(1118年~1190年):平安時代末期に活躍した歌人。俗名は、佐藤義清(のりきよ)。23歳で出家   し、法号を西行と称した。出家後、諸国を巡る放浪の旅に出て、数多くの和歌を残した。  
   因みに平安時代、花と言えば、梅のことを指した。一方、江戸時代を通じて園芸家によってソメイヨシノが観賞用の桜と  して品種改良され、以降、桜と言えばソメイヨシノと言われるに至る。また西行の和歌にある「如月の望月の頃」とは、満  月の旧暦2月15日頃(新暦では4月初旬頃)のこととされる。 
ー(2)坂口安吾(1906年~1955年):戦前・戦後にかけて活躍した無頼派の作家として有名。戦前、「風博士」によって文  壇に注目され、終戦直後に発表した「堕落論」「白痴」により、流行作家として一躍時代の寵児となる。  
   安吾は純文学のみにとどまらず、歴史小説や推理小説も執筆し、古代史から現代の風俗に至るまで広範なテーマで材  を採る評論など、多彩な文学活動を行った。   

ー写真カットは、京都御所の紫宸殿、満開の左近の桜。4月4日撮影。





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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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