幸福の黄色いハンカチ (3)


2015/4/12  ”名作映画シリーズ ”  
ーかくして再び朱美と勇作を乗せ、欽也が運転する赤のファミリアは、北海道の大自然を直走る。途中、カニに当たった欽也が下痢になり、酪農家でトイレを借りる。その間、前方からやって来た大型トラクターを避けようと仮免の朱美が車をバックさせるが、路肩から脱輪。用を足し駆け付けた欽也と勇作が二人で車を押して脱出を図るが、またも仮免ドライバーの朱美は、農地の中を暴走する。朱美を叱責する欽也。夕方、車の中でまたも朱美に迫る欽也。 
 その夜、やむなく3人は酪農家の家に泊めてもらうことに。風呂から上った欽也に朱美との関係について問い質し、説教をする勇作。真顔になって勇作が、欽也に向かって言う。 
 「おまえ、それでも九州男児か!」  
 翌日、欽也がハンドルを握るファミリアは、北海道の大地を走る。カーラジオから、イルカの「なごり雪」が流れる。助手席の朱美が、メロデイを口ずさむ。このシーンは、山田洋次監督に当時、「若者の間で流行っている歌は何か」と聞かれた武田がアドリブで答え、この曲が採用されたというエピソードがある。
 欽也、朱美、勇作の珍道中は続く。帯広の駐車場では、ヤクザ風の男(たこ八郎)に因縁をつけられ、欽也は男にボコボコにされる。その時、長身の勇作が割って入り、小柄な男に反撃。欽也を助け出し、車で逃走する一幕もあった。因みに、たこ
八郎、本名、斉藤清作は、元日本フライ級チャンピオンである。  
 今度は勇作が車のハンドルを握り、3人は夕張に向け走り続ける。すると前方の道路で検問があり、警察官の指示で車は道路脇へ。一瞬、勇作の顔に緊張が走る。若い警察官が、勇作に告げる。   
 「ちょっと事件があってね。免許証」「持ってません」と答える勇作。「降りて」と勇作に言うと、車の外で職務質問する警察官。無免許運転で刑務所から出所したばかりの勇作はそのままパトカーに乗せられ、近くの新得署へ連行される。そのパトカーの後を追う欽也のファミリア。  
 新得署で改めて取り調べを受ける勇作。そこへ渡辺係長(渥美清)が、奥の部屋から登場する。  
 「おう、島じゃないか」と取り調べ中の勇作を見て、声を掛ける。  
 「どうした」「はい、おととい刑期を終えました」と直立不動で答える島勇作。「美人の母ちゃんは元気か?」と聞く渡辺係長。
 「実は別れました」と勇作。6年前、勇作が殺人事件を起こした時、夕張で世話になったのが渡辺係長だった。その後、渡辺係長の取り計いによって、勇作は無事釈放される。  
 「渡辺さん、ありがとうございました!」と深々とお辞儀をする勇作。「まあ、いろいろあるけど辛抱してやれや」とチョビ髭を指で撫でながら、勇作を諭す制服姿の渡辺係長だった。名喜劇役者、渥美清、高倉 健を相手に人情味のある中年警察官を実に見事に演じている。  
 署の外で車を停めて待っていた欽也と朱美に勇作は、声を掛ける。  
 「待っててくれたのか。俺はここから汽車で行くから。いろいろ世話になったな」と二人に言うと、勇作は一人駅に向かって歩き出す。その後をゆっくりと追う欽也のファミリア。
 「俺、乗っけてやってもいいぞ」と欽也が呟くと、朱美が助手席から車を飛び出す。  
 「勇さ~ん!」朱美の声に振り返る勇作。朱美と勇作が、しばし道端で話し合う。その二人に近付く欽也のファミリア。
 かくして再び勇作は欽也の車に乗り、欽也、朱美、勇作の3人は一路夕張へ向け、旅を続けるのであった・・ 

ー以下、第4弾へ続く。   

ー写真カットは、仮免ドライバー朱美が運転する赤のファミリアが、農家の農地を暴走するシーン。






















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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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