君は映画「攻殻機動隊 新劇場版」を魅るか

2015/7/4  ”名作映画シリーズ ”  
ー劇場版シリーズ及びTVアニメ・シリーズの原点とも言える原作は、SF漫画家士郎正宗の「攻殻機動隊」(1989年)である。劇場版とTVアニメ・シリーズに共通するテーマは、「記憶」であり「擬似記憶」である。優れたSF作品は、同時にまた優れて哲学的でもある。複雑かつ高度に発達した2029年電脳ワールドにおいて、「人の人たる所以とは!?」「我が我であるために必要なものとは!?」、またそこに存在する「ゴースト」「霊性」「意識と記憶」が、シリーズを通じて追究されるメイン・テーマとなる。  
 また海外の名作で言えば、リドリー・スコット監督によるSF映画の金字塔「ブレードランナー」(1982年)でも、レプリカントであるタイレル社の秘書レイチェルは、製造者のタイレル博士によって「擬似記憶」を植え込まれる。さらには、そのレプリカントを追うブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)自身が、「擬似記憶」とも解釈できる「ユニコーンの夢」を見る。後年、「ディレクターズ・カット版」(1992年)ではリドリー・スコット自らが、
デッカード=レプリカント説を哲学的に示唆している。  
 そして、ハンガリー出身のユダヤ人作家、アーサー・ケストラー(1905年~1983年)の著書「機械の中の幽霊」(原題:Ghost in The
Machine,1967)は、士郎正宗の「攻殻機動隊」に影響を与えた。  
 本作ストーリーに戻る。後半の見せ場、予想外の裏切りと擬似記憶電脳ウィルスを操る敵に翻弄される草薙素子少佐。絶体絶命の危機に陥った素子の下に、一時は解散した公安9課の6人のメンバーが再結集し、ロジコマと共に駆け付け反撃する。大迫力の戦闘シーン、ガン・アクション、爆破シーンが続く。  
 ここで、ロジコマ(歩兵兵站用輸送支援車両の略、声優は沢城みゆき)が見せるユーモアのある動きとおっとりとしたその声音は、ハードな戦闘場面にあってなぜか心が和むなあ~(笑)また、素子とバトーら公安9課の男たちの台詞が小粋で、どこかハードボイルド風でカッコ良い。
 終盤、黒幕の一人、孤児院の院長が逮捕され、自身も育ったその孤児院に残された子供たちに向けて「未来を創れ!」と言い放つ素子。激しい銃撃戦の最中、「死んだら修理できません」と叫ぶロジコマに対して「いい男は死なないんだ!」と言い返すバトー。
 事件を捜査中のワン・シーン、車を道路脇のパーキングに停め、部下のトグサが差し出すコンビニで買ったサンドイッチを食べる全身義体の素子。「新しい素子」を表現する野村和也監督の洒落か(笑)そして最後に、海外コネクションに繋がる黒幕のボスを突き止めた素子が取ったその最終方法とは!?  
 コンピューター・グラフィック(CG)による最新の映像表現を駆使し、スタイリッシュかつスピード感のある大人の鑑賞にも耐える同シリーズ中、最新作にして最高傑作の本作「攻殻機動隊 新劇場版」。近未来電脳ワールドで、前髪を切って新しくイメージ・チェンジした戦うヒロイン、草薙素子が華麗かつクールに魅せる1時間40分。皆さんも是非劇場に足を運び、その目で見てお楽しみ下さい!  

 現在、京都の「TOHOシネマズ二条」にて連日劇場公開中です。因みに私は、TOHOシネマズから何ももらってないヨ(笑)それから今回、劇場来場者特典として、本作ヒロイン、草薙素子のオリジナル・イラスト原画3点をゲット。プロダクションI.Gさま、ありがとうございました!  

             (了)  


















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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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