スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

それでもボクはやってない  (3)

 オリバー・ストーン監督の脚本による、実話を元にした映画に「ミッドナイト・エクスプレス」(1978年)
がある。アメリカ人青年がトルコを旅行中、大麻所持で逮捕、投獄される。刑は3年の実刑。アメリカ本国から父親も駆け付け、やり手の弁護士も雇い、その後やり直し裁判へ。しかし麻薬取締りを強化するトルコ政府は、彼に
30年の重刑を言い渡す。理不尽な判決、過酷な獄中体験の末、ある夜ついに主人公は、脱獄を図ることになる。
 本作ストーリーにもどる。かくして、「痴漢行為」をやっていないと主張する徹平陣営と99.9パーセントの
有罪率をほこる「初めに有罪ありき」の検察側は、真っ正面から対立する。荒川主任弁護人は、山田刑事の取調べ
方法を問い質し、被害者の女子中学生の証言の矛盾点を突く。   
 さらに、友人の斉藤は、インターネットで「痴漢冤罪事件」を訴える政治家の佐田を調べ、彼の協力と助言を仰ぐ。知人、友人、支持者を集め、徹平の元彼女の陽子まで動員し、傍聴席を一杯にして、裁判官にアッピールする
戦術を取る。その結果、裁判は、一時徹平に有利になるかに見えた。公判の後半、逃亡のおそれはないとされ、徹平は保釈される。早速、居酒屋で彼を囲み歓送会が開かれ、荒川主任弁護士の下、今後の法廷闘争の戦術が練られる。また、無実を証明するため、事件当日の電車内を想定した再現ビデオも製作する。    
 ところが、裁判の後半から、裁判官が変わってしまう。より権威主義的なその裁判官は、荒川主任弁護人の捜査
請求も却下し、徹平の証言も巧みに誘導尋問し、彼を逆上させることに成功する。その後、現場に居合わせた中年
サラリーマン、駅員、当直の弁護士、そして「この人は、痴漢をしていません」と証言してくれたOLの女性まで
が次々に証言台に立つが、すべて反論されてしまう。    
 かくして、第12回公判、運命のその日、裁判官は、判決を言い渡す。   
 「被告人を懲役三月に処する」   
 その瞬間、「嘘だ!」と斉藤は叫び、自ら退廷する。母の豊子は、その場に泣き崩れる。徹平は、抗議の意を込め、立ったまま裁判官のその判決文を聞く。ラスト・シーンは、判決文を最後まで聞き遂げた徹平が、毅然として
訴えるその一言に終わる。   
 「控訴します」   
 「真実は、神のみぞ知る」ではなく、「人が人を裁く」その行為の故に、冤罪事件は今後もありうると、体験者
として私は確信する。     
ー次回6/5は、田中好子主演の「黒い雨」をお届けする予定です。お楽しみに。





   
 

      
 
スポンサーサイト

■ Comment

非公開コメント

プロフィール

二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
二階堂 新 賢者は、かく語りき
最新記事
カレンダー
01 | 2017/02 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 - - - -
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。