黒い雨  (2)

 原作は、井伏鱒二の「黒い雨」。英語で言うと、”Black Rain”私は、リドリー・スコット監督の名作「ブラ
ックレイン」を思い起こす。作品の後半で、ヤクザの親分、スガイがニックに語る。「わしは、子供の頃B-29
の空襲の下、逃げまわった。ある時、防空壕から出ると、黒い雨が降っていた。何日も黒い雨が降った・・・」
それこそが、原爆によって生じた放射能を含んだ黒い雨であった。   
 話題を本作映画にもどす。「ただいまー!」と文子が家の中に入ると、母親の岸本屋の女将が出て来る。その後、奥の部屋から片山(小林昭二)が現れる。彼も被爆者でヤミ屋の男だった。   
 一方、矢須子の縁談に奔走する叔父の重松。「健康診断書」が仇になり、縁談が破談になったことを、好太郎
(三木のり平)から知らされる。家に帰ると、部屋の奥ですすり泣く矢須子の姿。噂だけで破談を決めたその仕打ちに怒り、重松は、8月6日からの矢須子の日記を元に清書し、先方に送りつける。  
 「あれを嫁にやらにゃあ、死んだ姉に会わせる顔がない」   
 ここからシーンは、8月6日の朝、広島原爆の日へプレイ・バックする。家を焼かれ、安全な工場へと避難する
ため、原爆投下直後の地獄図絵となった広島市街を逃げのびる三人。途中、竹やぶの中で休んでいると、顔がケロイドになった男(常田富士男)が、重松に話しかける。彼も、家を焼かれ妻子を失った被爆者だった。別れ際、矢
須子は男に一升瓶の水を手渡す。このシーンは、後に運命的な出会いの伏線となる。  
 夜、やっとの思いで三人は、工場にたどりつく。その工場でも多くの死者を出し、その上、役場の職員も医者も
僧侶もいない。仕方なく、重松が寺に行き、老住職(殿山泰司)から経典を借り、川辺で死体を焼き、死者にお経
を読むことになる。1945年8月15日正午、玉音放送。暑い夏のこの日、戦争は終わった。   
 再び、矢須子たちが暮らす三次の山中の農村風景。ある日、若い医師の青野(石丸謙二郎)がやって来て、重松
に頭を下げた。   
 「矢須子さんと、交際させて下さい!」   
ー以下、第3弾に続きます。   

  Bye now.See you tomorrow.      

     x    x    x      
 




スポンサーサイト

■ Comment

非公開コメント

プロフィール

二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
二階堂 新 賢者は、かく語りき
最新記事
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる