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黒い雨  (3)

 本作品の前半、象徴的なシーンがあった。原爆投下直後の広島市街を逃げのび、工場にたどり着いた重松。しかし、そこでも多くの死者があり、役場の職員も医者も僧侶もいない。重松自らが寺に行き、老僧から経典を借り、
川辺で死体を焼き、お経を読み上げるシーンが印象的だ。   
 これは、65年後の「3・11東日本大震災」の惨劇とも共通点がある。大津波によって、建物ごと、職員ごと
押し流された役所は、機能停止に陥った。また、津波によってさらわれた多くの遺体が、市街地や海岸に打ち上げ
られたという。   
 65年前、度重なる空襲と二度の原爆、そして敗戦を乗り越えた我々日本人は、見事に復興を果たした。私は、
いつかわがペンとカメラで、東日本大震災の復興を現地取材する。   
 本作映画に話題をもどす。かくして、矢須子と交際を始めるが、実は大手美容院の御曹司だった青乃は、結局縁談を断って来た。原爆をめぐる「噂」により、矢須子はまたも破談となる。その後矢須子の周囲では、村の片山、
庄吉、好太郎が次々と原爆症で亡くなっていく。実家の高丸の家で墓参り中、叔母のシゲ子まで原爆症で倒れる。
迷信深いシゲ子は、医者よりも拝み屋の女霊媒師の言葉を信じるようになる。  
 破談が続いた傷心の矢須子は、やがて岡崎屋の石工、悠一(石田佳祐)と心を通わせるようになる。しかし、その矢須子の身体を「黒い雨」の原爆症が次第に蝕んでいく。原爆症の症状が現れた矢須子は、悠一に連れられ、町の
病院へ向かう。ところが、原爆症の患者を敬遠する病院長は、重松夫婦に自宅療養をすすめる。   
 その夜、入浴中の矢須子に異変が!?黒髪を撫でると、手にバッサリと髪が抜け落ちる。風呂を沸かしながら、その姿を窓越しに見ていたシゲ子にも発作が。1ヵ月後、シゲ子も死去。残された重松、病床の矢須子を岡崎屋の
タツ(山田昌)が看病する。ある日、タツが叫ぶ。「旦那さん、矢須子さんが、矢須子さんがー」  
 病室に駆け込む重松。連絡を受け、若い医師二人が担架を手にやって来る。その矢須子を両腕に抱え上げて運ぶ
悠一が言う。「大丈夫じゃ。きっと治る」病院のジープに運び込まれる矢須子。ラストシーンは、その二人が乗った車を見送る重松のその姿で終わる。   
 本作品は、ここで終了します。しかし今村昌平監督は、迷いに迷った末にカットした、感動の未公開ラストシーン(カラー19分)を製作しています。明日、この特典映像の映画評をアップします。   
ー尚、次回8/14は、サマー・アクション・シリーズとして、シルベスター・スタローン主演のアクション映画
「ランボー」をお届けします。







   
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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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