イギリスは、燃えている

「時事評論シリーズ」(1) 8・6ロンドン暴動を考える    二階堂 新(フリー・ライター)   

 今、イギリスが燃えている。ロンドン名物二階建てバス、店舗、建物、倉庫から炎が上がる。暴徒が街を徘徊し、街を破壊する。来年には、ロンドン・オリンピックを控えた「紳士の国」英国で、一体何が起きたのか。 
 きっかけは、ロンドンのトッテナム地区で黒人男性が警察官に射殺された事件。ずさんな捜査を行った警察に抗議していた群集の一部が暴徒化し、商店を略奪し、警察車両やバスに放火する騒ぎとなった。確かに始まりは、若者たちの警察に対する反発が起爆剤となったが、その暴動の原因は、もっと他にあると考えられる。   
 アラブ諸国で起きたデモや集会で人々が望んだのは、体制の変化という前向きなものだった。しかし、今回イギリスで起きた暴動は、不満が溜まった若者たちの感情の爆発であった。以下、3点の原因が挙げられる。  
 まず第一に、インターネット、スマートフォンの匿名メッセージの利用によって、急速に若者の間に伝えられ、
その後英国各都市に拡大した点がある。二つ目は、「経済的要因」。政府による緊縮財政策で公共サービスへの予算が大幅カット。イギリスの失業率は、7.7%まで跳ね上がった。   
 そして三点目、AFP通信の世論調査では、「42%が犯罪行為の蔓延、26%が不良グループの台頭」と暴動の原因を指摘する。しかし、果たしてそうだろうか。   
 「英国病」ともいわれる慢性の高失業率を出し続け、失業と経済政策に効果的な打開策がなく、若者だけを悪者
扱いにする。キャメロン首相の言う、「暴徒鎮圧に軍隊を導入する」ことが、決して事態の解決策にはならない。
 いつの時代、どんな国でも若者は、不満を抱え、時に大人と反発する。健全な社会であり、大人の側に理解と愛情があれば、若者のそのエネルギーを建設的な形、スポーツ、音楽、文化、芸術、そして政治的改革へと昇華させることができる。   
 英国こそは、「紳士の国」であり、近代科学、近代思想、近代民主主義の発祥の国である。私は、イギリスの良識とその英知に期待したい。私は、これからも「ロンドン暴動」をWatchする。



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Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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