孫正義、「孫」を名乗った原点

「時事テーマ」:2012/1/4 ”2012フリー・ライター・シリーズ ”   
 ー1月12日に発売される『あんぽん 孫正義伝』(小学館)。ノンフイクション作家の佐野真一氏は、同書の
 中で孫正義氏への取材を行い、「安本」という日本名を捨てたことについて尋ねる。以下同書より抜粋。  
  「私は孫という名前で、ユニソン・ワールドを始めました。その時、二つの選択肢があったわけです。孫の名 前で会社を興すか、それとも元の安本にもう一度戻って、会社を興すのか。僕の親父も親戚のおじさん、おばさ
 んも全部安本の名前で通していましたからね。だから孫の苗字のままで日本で会社を興すのは、親戚の中では僕
 が第一号なわけですよ」  
 ー孫の苗字のままだと、韓国人だということがバレちゃいますからね。親戚は孫さんが安本という日本名を捨て たことに反対しませんでしたか」   
  「猛反対でしたよ。おじさん、あばさんたちが、それこそ全員集まって、『おまえ、それだけはやめろ』と言 うんです。在日が日常生活で差別されるケースはだいぶ減ってきたけど、就職するとか、金を借りるときには、
 間違いなく差別されるぞ、孫の名前では銀行は絶対金を貸さないぞ、お前が考えているより、ハードルは十倍あ
 るぞ、なんでお前はわざわざ好んでその難しい道を行くんだって、猛反対するんです」   
 ーそれをどう言って説得したんですか。   
  「いや、おじさんたちはそう言うけど、孫という本名を捨ててまで金を稼いでどうするんだと、言いました。
 それが十倍難しい道であっても、俺はプライドを、人間としてのプライドの方を優先したいと、言いました」 
  また孫という名にこだわったもう一つの理由は、渡米する時に心に決めた自分なりの小さな志のためだったと
 いう。   
  「何十万人といる在日韓国人から、日本で就職や結婚や、それこそ金を借りる時差別を受けている。でも在日
 韓国人であろうが、日本人と同じだけの正義感があって、能力がある。それを自分が事業で成功して、証明しな
 きゃならないと思ったんです」  
  「これからの在日の若者に、それを背中で示さなきゃいけないのに、俺が本名を隠してこそこそやったんじ  ゃ、意味がなくなるんじゃあないか、アメリカに行った目的が達成できないんじゃないか。後から、あの事業を
 興したのは、実は孫でしたと言ったって・・・」   
 ー後出しジャンケンにしかならない。  
  「そう。だから、俺はどれだけ難しい道だって堂々と正面突破したいんだと、言ったわけです」 

   x    x    x    

 ーソフトバンク社長、孫正義氏よ、その志やよし。IT業界の「革命児」、「政商」と呼ばれる現在、若き日の志
 を忘れないで頂きたい。   
  1980年秋、25歳の私もかの地アメリカで、一年半「差別」と戦って来た。そして21世紀の今、「国際
 人」ではなく日本人として、わがペンとインターネットで戦い続けることを私は決意する。

    

     

   

















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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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