MJQ (2)

 私自身熱狂的なジャズ・ファンではないが、それでもどこか耳の底に記憶が残る。学生時代、友人と話しているとジャズの名盤の話題となったり、先輩がよくジャズ論を口にしたり、京都市内の「ジャズ喫茶」にも足を運んだ。作家の中上健次は上京後、「ジャズ喫茶」に入り浸り、ニューヨーク・モダン・ジャズの洗礼を受けた。彼の
ジャズ評論のエッセイは繰り返し読んだ。   
 米大学留学時代、なぜかその大学の音楽学部には、著名なジャズ奏者と若いミュージシャンの学生たちが集まっていた。そのコンサート・ホールで、ソニー・ロリンズの公演があった。ターバンを頭に巻き、サックスを演奏す
るロリンズのその姿は、”怒れる巨象”のようにも見えた。公演後、アンコールはなかった。  
「デイア・オールド・ストックホルム」   
 ースウェーデンのストックホルムに行ったことはないが、やはりそこは、「北欧のメルヘン」と旅情を誘う町な のか。北欧の民謡であったが、マイルス・デイビスのセッションにより一躍有名になった。  
  マシューズのスローなピアノ・ソロに、ホーン・アンサンブルが入る。クールでブルージーな各ソロが展開さ れ、大人の渋さに満ちたプレイに仕上がる。   
「モーニン」      
 ージャズ・ファンならずとも、映画のBGMで、FMラジオ番組で、コーヒーハウスで一度は耳にしたことがあ る、サビのこの旋律。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの名曲。   
  この有名曲「モーニン」を、マシューズは大胆にもサビからスタート。トランペットのルー・ソロフは、 
 「moaning」=「悲嘆」「呻吟」と言わんばかりに、ハイ・トーンな音をソロで繰り出す。ブルージーかつエキサ
 イテイングに各セッションが続き、やがてサビのリフレインを繰り返しながら、9分47秒の名演奏は静かにフ ェイド・アウトする。




       
   
 
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二階堂 新

Author:二階堂 新
 1955年生まれ、京都在住。フリーライター、フリーカメラマン、作家、企画主催者。皆さん、ヨ・ロ・シ・ク!

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